ハンディーターミナル（HHT）とは【物流用語】

ハンディターミナル(HHT)とは

ハンディターミナルはHT(Handy Terminal)またはHHT(Handheld terminals)と表記されることもあり、商品に付いているバーコードや2次元コード「QRコード」、OCR(文字認識)を読み取って記録できるデータ収集用の携帯端末です。商品の保管状況の管理やトレーサビリティ、ヒューマンエラーの防止等に利用されています。

ハンディターミナルは、バーコードを読み取って数量等のデータをPCに送信するのが基本的な操作手順です。そのため、「データの収集・記録」や「データの送受信」、「キー入力」、「音声入力」、「画面表示」等の機能が備わっています。

「データの収集・記録」については、ハンディターミナルごとに機能の違いがありますが、バーコードや2次元コード、OCRを読み取ってデータ化し自動的に記録します。バーコード化されていない情報は、キー入力や音声入力で記録が可能です。

「データの送受信」にはクレードル式と無線通信式があり、現場のニーズに応じて使い分けられています。クレードル式は撮り溜めたデータをホストPCにまとめて送信し、無線通信式はリアルタイムでデータを転送します。

ハンディターミナル(HHT)の活用シーン

ハンディターミナルは、入出荷業務やピッキング業務が日常的に行われる物流業界で広く利用されています。入荷時に商品のバーコードと、商品の保管場所を示す棚のバーコードをハンディターミナルで読み取って記録することで、保管状況の管理が可能です。

さらに、製造業界や小売り業界でも、生産管理やトレーサビリティ、業務の自働化と効率化を目指して活用されています。製造現場では、材料の取り違え防止や不良品の流失を防ぐための工程管理で利用され、信頼性の高い生産を支えているのです。

小売業界では、食料品、生活雑貨、日用品を取り扱う店舗における在庫管理や商品管理、発注や棚卸業務等で利用され、作業の効率化と正確性の向上が図られています。

さらに、医薬分野においても、病院や薬局において薬の調剤や投薬ミスの防止に役立っているのです。薬に付けられたバーコードと保管場所や患者、処方箋に紐付けられたバーコードをハンディターミナルで照合し、適切な管理を行う仕組みが導入されています。

ハンディターミナルを活用するメリット

ハンディターミナルを活用するメリットとして、正確に情報を収集できるため、数字の読み間違い等による「ヒューマンエラーの防止」が可能になる点です。また、商品知識のない人でも作業ができるため、「作業の効率化・標準化」を図ることができます。

さらに、迅速で正確な入力処理を構築でき、無線等を利用してデータ連携を行えば、リアルタイムでの進捗確認も可能です。これにより、作業のスピードが大幅に向上し、スムーズで精度の高い作業を実現することができます。

ハンディターミナルを活用するデメリット

一方、ハンディターミナルを活用するデメリットは、導入時の初期コストがかかる点です。特に大規模な現場で大量の商品を処理する場合は費用対効果が期待できますが、そうでない場合は導入のメリットが薄れてしまいます。

また、取引先ごとの運用システムに対応する必要があり、各取引先に合わせたハンディターミナルを揃えると、導入コストが増加する可能性もあります。

さらに、無線通信式を採用する場合は、通信障害等の要因で運用が停止するリスクも考慮しなければなりません。コスト面でもクレードル式に比べて高額になる傾向があり、無線利用時にはアクセスポイントの設置が必要です。しかし、設置場所によっては電波が届きにくいという問題も発生することがあります。