2020.11.27 IoTソリューション

物流における温度管理は「5つの温度帯」が重要！

物流における温度管理には、「5つの温度帯」がある！

日常生活では、食品等を常温・冷蔵・冷凍の3つの温度帯(3温度帯)で保管しています。しかし、コールドチェーンをはじめとした近年の物流プロセスでは、倉庫業法の「基準保管温度」を参考にして、定温・チルド・冷蔵・冷凍・超低温の5つの温度帯で品質管理を行うのが一般的です。

定温(5℃～18℃まで)：米や穀類等厳格な温度管理が必要ないモノ

定温の温度帯では、米・穀類・チョコレート菓子・マヨネーズ等、厳格な温度管理を必要としない食品を保管します。これらの食品は常温での保管も可能ですが、高温多湿の環境では品質の劣化が進みやすいため、一定の温度管理が必要です。

冷蔵(-18℃～10℃まで)：肉・魚・野菜等の生鮮食品や加工食品

冷蔵の温度帯では、一般消費者の食卓に並ぶ肉・魚・野菜等の生鮮食品や、チーズ・ヨーグルト等の乳製品、紙パック飲料等を保管します。

チルド(-5℃～5℃まで)：冷蔵保存する食品のうち、より厳格な温度管理が必要なモノ

チルドの温度帯では、冷蔵保存が必要な食品の中でも、特に厳格な温度管理が求められる食品を保管します。この温度帯は、高温になりすぎると食品表面で食中毒菌が増殖するリスクがあり、逆に低温になりすぎると食品組織にダメージが発生するため、繊細な温度管理が必要な温度帯です。

冷凍(-18℃以下)：魚介類・畜肉・冷凍食品・アイスクリーム等

冷凍の温度帯では、魚介類・畜肉・冷凍食品・アイスクリーム等、冷凍保存が必要な食品を保管します。

>h3>超低温(-40℃以下)：マグロ等の超低温管理が必要な食品

超低温の温度帯では、新鮮なマグロ等、超低温での品質管理が求められる食品を保管しています。

参考記事：IoTを活用した温湿度管理ソリューション「なんつい」と「みえーるど」の比較

「輸送品」は温度管理が難しい？倉庫における温度管理との違い

近年、サプライチェーンにおいて温度を一定に保つ「コールドチェーン(低温物流)」の重要性が増しています。コールドチェーンにおいて特に重要なのが、流通過程における「輸送品」の温度管理です。倉庫の温度管理とは異なり、輸送品は各トラックごとに異なる冷凍・冷蔵車両で運搬されるため、一元的な温度管理が難しいという課題があります。最終消費地に向けて運搬される過程で、各トラックで適切な温度管理が維持されているか、積み込み・積み下ろしの際に温度管理が徹底されているかを管理することが、商品の安全性と品質を守るために重要です。安心・安全な商品を消費者に届けるためには、きめ細やかな温度管理が求められています。

「この輸送品の温度管理を徹底するために、近年では「IoTシステム」が活用されています。貨物や冷凍冷蔵トラックに温湿度計を設置し、インターネットを通じて温度・湿度のデータをリアルタイムに取得することで、輸送中であっても厳格な温度管理が可能です。これにより、輸送中の温度変動をリアルタイムに確認でき、異常が発生した際には迅速な対応ができるため、商品の品質をより確実に維持しやすくなっています。

参考記事：IoTを活用した温湿度管理ソリューション「なんつい」と「みえーるど」の比較