invoice(インボイス)とは【物流用語】
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invoice(インボイス)とは
Invoice(インボイス)とは「送り状」を指します。売り手が買い手宛に作成する約定品の出荷案内書、物品明細書、価格計算書、代金請求書を兼ねた商用書類です。貿易実務で取り扱ううえで重要であり、税関に申告する際に欠かせない書類となりますが、EMS (Express Mail Service:国際スピード郵便)の場合、国によって必要でない場合があります。
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invoice(インボイス)の役割
日本国内での取引の際、インボイスには輸出商品品名、種類、数量、価格等の「明細書」、輸出者が輸入者に対して求める商品代金等の「請求書」、輸出者が輸入者に対して送る商品「納品書」の3点の書類が必要となりますが、貿易取引上、インボイスにこれらの情報を明記する必要があります。
invoice(インボイス)の5つの種類
用途別に大別して「プロフォーマ・インボイス」「コマーシャル・インボイス」「シッピング・インボイス」「カスタムズ・インボイス」「コンシュラー・インボイス」の5つの種類があります。
プロフォーマ・インボイス(Proforma Invoice)
見積書の役割を持ち、売買成立前に商品の買い手(輸入側)に提供するものです。「コマーシャル・インボイス」の発行に時間がかってしまう場合、仮書類として事前に作成されることがあります。
コマーシャル・インボイス(Commercial Invoice)
正式なインボイスがこの「コマーシャル・インボイス」です。輸出入時に最も多く使われるもので、一般的に「インボイス」といえば、コマーシャル・インボイスを指します。請求書、明細書、輸出入申告の複数の役割を持ちます。
シッピング・インボイス(Shipping Invoice)
納品書の役割を持つのが「シッピング・インボイス」です。出荷案内や、積荷費用の請求をする際の代金請求書としても使われますが、頻度が少ないため、納品書として扱われるケースがよくあります。
カスタムズ・インボイス(Customs Invoice)
輸入通関時、税関向けに作成する書類が「カスタムズ・インボイス」です。適正な課税価格を決定するために必要な書類となりますが、コマーシャル・インボイスでの代用も可能です。しかし、イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、南アフリカ等、特定の国では輸入時に必要とされることもあります。
コンシュラー・インボイス(Consular Invoice)
「コンシュラー・インボイス」は、脱税の防止や貿易統計資料作成に利用されるインボイスで、輸入通関時に利用されます。カスタムズ・インボイスと同様に、輸入国側からリクエストを受けて作成します。
invoice(インボイス)の記載内容
インボイスは会社によってフォーマットが異なりますが、一般的に使われているインボイスに記載する内容は以下の通りとなります。なお、提出様式はフォワーダーのホームページからダウンロードすることができます。
Shipper
荷送り人、または荷主の社名を記します。輸出の際には「輸出者」となります。
Invoice No. and date
インボイスナンバーに規則性はないため、管理しやすい任意の番号で構いません。日付は作成日を記載します。
Order No.
Order No.に限定せず、荷主間でのPO No.等、貨物を特定できる番号を記載すると後々わかりやすいでしょう。ただし、必須事項ではないため、項目名、記載欄をブランクとしても問題ありません。
For account of
誰が費用を負担すべきかを記載するものですが、記載がなくても構いません。
Country of Origin
送る品物の原産国を表記する必須の項目です。日本製を送る際には「Country of Origin : Japan」もしくは「Origin : Japan」等と表記します。
Country of Destination
貨物の仕向先国名を記します。
Consignee
荷受人の記載です。通常は輸入者(買い手)となります。
Remarks
運賃の負担先を表記します。発地側(日本の荷主)が運賃を払う場合には「Freight : Prepaid」、着地側(荷受人)が運賃を払う場合は「Freight : Collect」と表記します。
Shipped Per
航空か海上なのか、貨物の輸送方法を記します。航空輸送で送る場合は「by Aircraft」のみ、海上輸送の場合は、船名を記入します。
On or About
貨物が出港またはフライトする日付、あるいは予定日を記します。
Terms of Payment
契約で定められた決済手段をここに記します。無償、サンプル等の場合には、「No Payment」「Free of Charge」として、有償の場合には「T.T. Remittance」等と記載します。
From
輸出する地点をここに記します。航空輸送の場合は空港名と国名、または都市名と国名を表記します。成田空港から空輸で送る場合は「Narita, Japan」となります。海上輸送の場合は「Yokohama, Japan」のように港の名前と国名となります。
Via
貨物の輸送ルートを記します。直行便を利用して輸送する場合は不要ですが、経由便を利用して輸送する場合は経由地を記入します。
To
貨物がどこまで輸出されるか、着地側の都市名と国名を記入します。例えば、「New York, U.S.A.」のように記載します。
Marks & No.
ケースマークとケースナンバーを明記します。貨物現物と一致していることが必須となりますが、貨物にマークを貼付していない場合にはブランクで構いません。
Description of Goods
貨物の詳細を表します。誰が見てもその内容を判別できるような一般名詞で記すことが望ましいとされます。
Quantity
貨物量をここに記します。品物により、個数(pce, vol, sheetほか)表示、重量(g, kg, tonほか)表示等特性に合わせての表記も可能となります。
Unit Price
品物の価格、単価を記します。
Amount
品物の価格、総価格を記します。無償貨物の場合は市場価格をここに表記しますが、市場に出ていない品物の場合、妥当と思われる値段を記します。
日本の輸出申告は、税関の「NACCS」に申告情報を入力することにより行われますが、NACCSにはあらゆる品物の一般市場価格のデータベースが登録されています。このデータベースの価格から大きく差異がある価格を入力すると「要調査」として、弾かれてしまうことがあるため、注意が必要です。
建値
取引条件、インコタームズをここに表記します。価格帯がどこまでの費用をカバーしているのか、リスクの分岐点等をここに記します。
Signature
記載事項の内容が真実であることを宣誓する必要があります。会社名、署名者の部署、役職、氏名を記載したうえで、署名者本人の肉筆により署名を行います。
無償貨物でもインボイスは必要
インボイスは前述した通り、明細書、納品書、請求書の機能を併せ持つものです。輸出者が発送した貨物の内容明細を示した書類であると同時に、輸出入者間の取引明細を示した書類として、税関における通関時にも利用されます。
また、輸出入申告時の申告価額の根拠となり、 輸入時の関税・付加価値税算出の根拠ともなります。このため、無償貨物であってもインボイスは必要となり、その際に「0円」という価額設定をすることはできません。上記「Amount」の項目でも説明していますが、市場価格を記す必要があります。
税関通関は、フォワーダーが代行することが多く、インボイスの情報をもとに輸出入申告手続きが行われます。輸入時に課される関税はインボイスに記載された商品価格、貿易条件等をもとに算出されます。インボイスに記載されるインコタームズ(貿易条件)は、売買契約書で事前に取り決めが交わされています。そのため、通常は発送する商品、価格、取引条件は契約書に記載されているものとなり、インボイスの記載内容は売買契約書の内容がすべて反映されたものでなくてはなりません。
何らかのトラブル等で売買契約書通りに貨物が輸送されない場合には、インボイスのみを変更するのでなく、先に売買契約書の訂正後にインボイスを再作成する必要があります。特に商品価格は、関税や支払いにも関わるため、輸出・輸入どちらの側の立場であったとしても、インボイスの内容はしっかり確認するように注意しなくてはなりません。
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