荷主とは【物流用語】

荷主とは

輸送や保管等の物流業務の依頼主を「荷主」と言います。そのうち、荷物の出し手は「発荷主」、受け取り手は「着荷主」と区分されます。

これまで物流業界では、主に発荷主を意識して業務を行う傾向がありましたが、現在では着荷主のニーズにも耳を傾けるようになりました。これは、消費に近い需要側を起点としたデマンドチェーンの考え方に基づき、商品開発・生産・物流を最適化する狙いがあります。

一般には、サプライチェーンの川上に位置するメーカーや川下の小売店を荷主と呼びますが、その中間に位置する運送業務の元請会社(A社)が下請けの運送会社(B社)に発注する場合、A社も荷主として関係を持つことになります。

今後、物流業界を改善するためには、荷主の協力が不可欠です。物流会社の自助努力だけでは、労働時間の短縮が進まないだけではなく、多重的な請負構造による適切な運行管理の欠如といった問題も残ります。この背景を受けて、2019年には厚生労働省、国土交通省、全日本トラック協会によって「トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会」のガイドラインが策定されました。今後、荷主と運送会社が協力して取引環境や長時間労働の改善へ取り組むことが期待されています。